TEAC TN-5BB
TEAC PE-505
Peter Gabriel / So (LPレコード)
この度アナログ製品で気になっていた TEAC のレコードプレーヤー TN-5BB とフォノイコライザー PE-505 をTEAC様からお借りいたしました。
※2021年7月19日(月)までご試聴できます。
この2機種はバランス(XLR)で接続できることが最大のポイント(メリット)であり、またレコードをより一層良い音で再生できるよう要所を押さえた製品となっております。
両方とも税込定価が¥184,800の同価格です。
価格は他メーカー含め相対的にエントリーモデルの2ランクほど上でしょうか?
ただ製品の完成度からすればコストパフォーマンスは抜群です。
まずはレコードプレーヤー TN-5BB について

人工大理石とピアノブラック仕上げのMDFを採用し共振を排除したボディ。上面が人工大理石で少しラメのようなキラキラがありますが上品な仕上げとなっております。

アームはS字のユニバーサルタイプでカートリッジ交換が容易となっております。
付属のMMカートリッジは オルトフォン の 2M RED 。
2M RED は多くのメーカーに標準装備として採用されています。
音は躍動感があり心地よさを感じるものとなっております。


手前右側に回転数切り替えとスタートが伴ったスイッチとアームリフタースイッチがあります。
アームリフターはこの位置が使いやすくて良いですね。
また演奏が終わったらオートリフトアップ機能も搭載しておりますので寝落ちしてもOKです。
サエク社とコラボした高感度のナイフエッジアームを搭載。ナイフエッジが見える構造です。さらにトーンアーム内部の配線には PC-Triple C 導体を使用したSAEC製リード線を採用しております。

アームの高さ調整が可能。
大概のエントリーモデルには省略されていますがアームがレコード面に対し水平になるように調整する大事な機能です。
カートリッジの変更によって高さが違ってきますのでレコードをより良く再生させるためアームを水平にすることも重要なポイントです。
またアームリフターの高さ調整も可能です。


ベルトドライブでプーリーを保護するためカバーが付属します。
プラッターの下部に設けられた光センサーでプラッターの回転数を検知しモーターにプラッターの回転に応じたサーボを掛ける回転数自動調整機構により慣性とモーターだけでは難しい高い回転精度を実現しております。



ガラスのような透明度があるアクリル製プラッター。
見た目より重く1.7kgもあります。
回転させると精度の高さが見て取れます。
マットは付属しておらず直接レコードを置きます。


バランス出力搭載。
ハイグレードのプレーヤーはアームにバランス対応のフォノケーブルをダイレクトに接続しますが
このようにバランス出力があるレコードプレーヤーは他に ヤマハ の GT-5000 くらいです。

インシュレーターです。高さ調節用ワッシャーが付属しております。
続きましてフォノイコライザーの PE-505 についてです。
レコードをより良い音で聴くための機能が満載です。
ゲインはHIGHとLOWがございますが通常はLOWでOKです。カートリッジの出力が小さい場合はHIGHにします。ただしLOWとHIGHのそれぞれ音質が多少違いますので好みによって切り替えてOKと思います。中央のダイヤルスイッチでMCカートリッジの負荷抵抗、MMカートリッジの負荷容量の切り替えが可能です。

MEASUREのスイッチはMCカートリッジ本体とそれに繋がれたケーブルを含めたインピーダンスを測定できます。
マニアックなスイッチとなりますが、イコライザーカーブは3種類 DECCA、RIAA、COLUMBIAの切り替えが可能です。
イコライザーカーブについては諸説ありますので、再生するレコードの情報(勉強)が必要です。
インプットはXLRまたはRCA。XLRはバランス出力になっているMCカートリッジ専用です。ためしにMMカートリッジをXLRケーブルで再生させた音を聴きました。高音域が減衰したモコモコの音でした。MMカートリッジを使う場合はRCAに繋ぎます。他にモノラルスイッチ、サブソニックフィルタースイッチがございます。

入力端子はXLRとRCA。
出力もXLRとRCAがございます。
フットは3点支持になっております。
フット内部はスパイクとスパイク受けがセットされたピンポイント構造となっております。ガタツキは無く、安定したフットとなります。
TN-5BB に付属しているカートリッジは オルトフォン のMMカートリッジ 2M RED ですがMCカートリッジのバランス接続の音質を確認するためDENON のMCカートリッジ DL-103R をセットしました。
MEASUREスイッチでインピーダンスを測るとメーターの針は10オーム強の位置となりました。
メーターに記されている目盛は2オーム、中間位置、10オーム、中間位置、50オームとなっております。DL-103R はカタログ値で14オームですのでほぼ同じ数値となりました。この数値からメーター左の負荷抵抗を合わせます。
このメーターですがMEASUREスイッチがOFFの時はサブソニック成分(6Hz以下)の音量を表示します。レコードの反りによる低周波成分で、レッドゾーンに届くような場合はスピーカーに影響がありますのでサブソニックフィルタースイッチをONにします。メーターの明るさは3段階で、また消灯も出来ます。

様々なレコードを試聴しましたが
こちら Peter Gabriel のアルバム「So」の中から Don't Give Up を聴きました。1986年にリリースされたアルバムで Don't Give Up は Kate Bush が参加している楽曲となります。私としては Don't Give Up を含めこのアルバムはデジタルではなく絶対アナログレコードで聴きたい作品なのです。余談ですが、このレコードは発売されて間もなくタワーレコードで購入いたしました。
タワーレコードが東急ハンズのはす向かいのビルにあった頃です。当時、勤め先が近かったので頻繁に通っておりました。
Don't Give Up は Tony Levin のベースでフェードインそして最後フェードアウトするカッコいい曲なのです。
聴きどころはその Tony Levin のリズミカルでありながら深く沈み込むベース。Peter Gabriel の情感込めた歌。Kate Bush の癒される歌声です。
Tony Levin の深く沈み込みながら温かさを感じるベースのリフから
Peter Gabriel のボーカルが始まるのですが、マイクに向かって丁寧に情感を込めて歌っている姿が想像できます。その後に Kate Bush のパートがあります。なんといっても Kate Bush の歌に癒されるのです。"I know you can make it good" と歌っている箇所が好きですね。初めて Kate Bush を聴いたとき、曲はデビューシングルの Wuthering Heights (嵐が丘)ですが正直なところ独特な高い声でなじめませんでした。それから数年の時が経ち表現の幅が広がったのでしょうね。Don't Give Up では高い声を和らげながら包み込むような優しい声で、また妖艶であり可愛らしさもある魅力的な歌唱となっております。
試聴はまずはシンプルに、良い音楽を良い音で聴いて感動が高まるかです。
TN-5BB(+DL-103R)とPE-505の組み合わせで聴いて非常に満足する結果となりました。機器の基本性能もありますがバランス接続が効いていることと、またあらゆる部分の適格なセッティングができていることの集大成と思います。
何回も聴いている楽曲ですが、今回も感動して聴き入ってしまいました。TN-5BB と PE-505 はお薦めです。何度も言いますが良い音楽を良い音(良いオーディオ)で聴くことは感動し癒されます。ぜひ、ご試聴にお越しください。宜しくお願いいたします。
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